-- まどろみの日向 --
フォイスは執務室を抜け出して、庭を歩いていた。
今日は日の光がとても気持ちよさそうなので、ついつい誘われてしまったのだ。
木々の緑が鮮やかで、ちょうどよく木陰を作ってくれている。
庭からいつも聞こえてくる子供たちの声がないのが、彼はちょっと不思議だった。
勉強の時間もあるが、こんな気持ちのいい日にじっとしていられる子供たちではないのだが…。
そんな彼に、眠たげな声が聞こえてくる。
フォイスがいつも登っている木の根元だった。大きくなったアティーファも登ることになる木である。
「私もなんだか眠くなって…ふぁ〜」
「あぁ〜。俺も…。このまま寝ちまうか」
アトゥールの腕の中では、アティーファが眠っている。
カチェイの胸には、リーレンが本当に気持ちよさげに眠っている。
二人を各々抱え直して、アトゥールとカチェイも瞳を閉じた。
フォイスがそっと近づくと、四人の天使がそこにいた。
眠っていると子供は誰でもかわいいものだな、としみじみ思うフォイスだった。起きている時もかわいいのだが…。
気配に聡い二公子が気づかなかったことが、フォイスに笑みを浮かべさせる。
それほどここは心地良いのだろう。そうであればいい…。
フォイスは頭上の枝を眺める。子供の頃はよく登ったものだ。
おもむろにフォイスは登り出した。なんだかひどく嬉しそうに笑み乗せて。
フォイスはある程度の高さの枝まで行くと、そこに腰を落ち着けた。
ゆるやかに陽射しを受けた庭が広がっている。下を見れば、子供たちが幸せそうに眠っている。葉の間からの陽射しがやさしく子供たちに降り注いでいる。
「いい気持ちだ…」
上半身だけで伸びをして、フォイスも瞳を閉じた。
心地良いまどろみの昼下がりのことでした。
[ 夜天光 ]の天さんから頂いたSS.
切り番を踏んでくださったときに、リクエストして頂いてかいたCGにショートストーリーを付けて下さいました(><)
自分の書いている話しの、話しを書いてもらったのは生まれて初めてで、もう本当にドキドキして(><)
嬉しくて!!!
なにより、みんな性格がよさそうでやさしそうな様子に、心が洗われるようでした♪
天さん、本当にありがとう!!