閉鎖領域

「俺たちは巧と将斗を見捨てない」
「幸恵と菊乃ちゃんも絶対に助けるわ」
　目的を再確認し、行くぞと声をかけて二人は再び走りだした。
　静寂の中にある門を通過し、かつて揃って通った炎鳳館の昇降口に駆け込む。校内履きなど持っていないので、悪いと謝って土足のまま中に入った。
「巧！　将斗！」
　年下の友人たちの名前を繰り返す。がらんとしたままの廊下や教室には人の気配も異変の名残もなく、二人の声は虚しく反響するだけだった。
「サチ！　菊乃ちゃん！　畜生、どうやったらあいつらの居る炎鳳館にたどり着けるんだ！」
　気持ちばかりが先走ってしまう。
　名を呼びながらやみくもに廊下を走り、教室を開け、階段を上り続けた。
「待って！　待って、久樹！！」
　いきなり爽子が繋いだ手を引いてきて、久樹は三階までもうすぐの場所でたたらを踏んだ。
「爽子？」
　二人の繋いだ手がいっぱいに広がった状態で、爽子は目を半眼にして周囲をぐるりと見回している。
「何を探しているんだ？」
「凄く薄いのだけど、色がある気がする」
「巧と将斗の異能力か！？」
「きっと、でもどこなの……」
　必死に探す瞳が天窓をとらえた。
「空に流れている色が……あっ！」
　階段の下から駆け上がって久樹を追い越し、そのまま引っ張って爽子は一番近い教室に飛び込む。
　大学生になった二人には懐かしく感じる机や椅子の間を抜け、校庭に面した窓に飛びついた。爽子らしからぬ乱暴さで窓を開け、外に乗り出す。
「爽子、危ないぞ！」
「あそこよ！　将斗くんの茜色がある！」
　爽子の指は屋上を真っ直ぐに示す。
　慌てて久樹も外を見上げた。
　茜色は見れないが、将斗が放ったと思われる光が空にきらめいたのを見る。
「将斗！！」
　叫ぶが、五階建て校舎の屋上まで届くわけもない。
　そんなことは分かっているのだが、黙っていられずに「すぐに行くから、待ってろよ！！」と続け、久樹は窓から離れた。
「しまった、俺らが昇ってきた階段だと、屋上に出られないだろ！？」
「あ！！　反対側の階段だけだった、屋上に繋がっているのって！」
　こんな時にと悔しがりながら、教室を飛び出して廊下の最奥にある階段を目指す。
　将斗の存在を捕らえたのだから、同じ空間に入れたと考えられるのに、炎鳳館はまだ静かなままだった。
　いったいどういうことかと不安になるが、今は将斗にたどり着くことで頭はいっぱいだ。
　階段を駆け上がり、屋上への扉のノブにようやく手が届く。
　それを握り、回転させ、外気を感じるより先に。
　幼い少女が少年を呼ぶ、大気を切り裂く激しい悲鳴を拾った。
「──！？」
　久樹と爽子が知っている声で、探し求める人物のものでもある。
「菊乃ちゃんっ！！」
　外に躍り出た久樹と爽子の髪を、暴風がさらって巻き上げた。
「嫌ぁあ！」
　茜色を急速に奪い取る光を見て、爽子の声も悲鳴になる。
「将斗！？」
　久樹には稲光を放つ、光の集合体が見えた。中心にぼやけているけれど、かろうじて人だとわかる塊がある。
　久樹は戸惑いもせずに光に手を突っ込んだ。
　感触はないし声も届いているかわからないが、必死に声を重ねる。
「将斗、頼むから手を伸ばしてくれ！　俺の手を掴むんだ！！」
　聞こえているかもわからない、伸ばした手も、なんの感触も返ってこない。
　久樹たちと将斗が存在する次元そのものが既に違っている、そんなことを思ってしまって「認めないからな！」と駄々をこねるように久樹は叫んだ。
「久樹兄ちゃん！！　お願いだよ、菊乃を──！！」
　ようやく聞こえた、将斗の声がいきなり途切れた。
　久樹と、爽子と、菊乃の目の前で、集まり続けた光が閃光となって弾け──キラキラとした雪のような光の破片だけを残して消える。
　そして炎鳳館の屋上に平穏が戻った。
　手を伸ばしたままの形のまま、久樹はゆっくりとまばたきをする。
　一度、二度、失われた現実の光景を瞳に収めて、それからゆっくりと周囲を見渡して。
　共同施設である白鳳館の方向に、天を貫く光の柱を見つけた。見えなくなっていた橙色を吸い取って炎鳳館に生まれた光の柱もだ。
「まさ、と……」
　失ってしまった。
　喪失感に打ちのめされて、久樹と爽子はその場にぺたんと座り込む。
「どうして？」
　幼い少女が上げた抜け殻のような声に、のろのろと振り向いた。
「菊乃、ちゃん……」
「将斗くんがいないなんて嫌だよ。どうして将斗くんが消えちゃうの？　嫌だよ……」
　菊乃のことは絶対に守り抜かねばと思って立ち上がり、今の今まで気づかなかった第三者の存在に久樹はぎょっとした。
　立花菊乃を守っているのか、寄り添って立つ少年がいるのだ。
「――は？」
　巧だった。
　一つ目の柱が見えているけれど、それでも居るとしか思えず「巧ッ！」と久樹は声を上げた。
「久樹、なにを言って──え？」
　爽子もまた少年の姿を認めて声を詰まらせる。
　無事でいてくれたのだと喜びかけた二人の前で、少年の輪郭がいきなり滲んだ。　
　確かに中島巧に見えていたのに、今度は川中将斗に見えるようになったのだ。
「……な、に？」
　状況が理解しきれない二人に、灰色の少年が真っ直ぐに向き直る。
　夏にも邪気による事件はあった。
　過去にあったかもしれない悲劇と似た作り話の怪談は、目的通り初等部の教師を大変に怖がらせた。それで終わればよかったのだが、教師が感じた恐怖と悼む感情が呼び水となってしまって、ずっと置き去りにされたまま眠っていた悲しみが目覚めることになったのだ。
　冷たい水を切に求めながら、灼熱に取り殺された記憶を持つ邪気が操ったのは、かつて自らを滅ぼした無情の炎と熱の力だった。　
　それはあまりに悲しいことで、強引に炎で浄化すればいいと思えなかったのだ。だからこそ静夜の異能力で眠らせた邪気が、目の前にいる意味が分からない。
「どうしてだ？　眠っているはずだろう、なのになんでまだ菊乃ちゃんに……？」
　問いを重ねるばかりの久樹に、灰色の少年が困った顔になる。
「久樹、違うわ。──彼はもう邪気じゃない、だって静夜くんの色を宿しているもの」
「──静夜の？」
「舞姫もそうだったし、言ってたでしょう。炎で浄化されて、いまは炎で作られているって。彼も同じなのよ」
「そうか、静夜の水が癒して、水によって再構成された……？」
　灰色の少年はゆっくりと頷く。
『……眠っていたんだ。ずっと、抱きしめられていたよ。優しくて、あたたくて、嬉しかった。このまま溶けていくんだって思っていたけど、水が囁いたんだ。守りたいんだよね？って聞かれた気がして、守りたいって答えたら……』
　形を取り戻して、また菊乃を見ることが出来たと灰色の少年は言う。
『でも僕は彼女をすごく怖がらせたから。姿を見せたらダメだって思ったから。隠れてたんだ。隠れて、見守っていようって。でも……』
　視線を二人から泣いている菊乃に移す。
　声をかけて良いか悩んでいるのが分かったので、久樹が「菊乃ちゃん」と変わりに呼びかけた。
　将斗が居た場所から微動だにしなかった少女は、打たれたように体を震わせて、ようやく視線をこちらにと向けてくる。
　大きな瞳がぱちぱちとまばたきを繰り返し「あのね」と、幼い声を絞り出した。
「………菊乃ね、ここに取り残されちゃったの」
　ぽつん、と。菊乃が語り始める。
「怖かったの。電話も繋がらないから、お姉ちゃんとも話せなかったし。でもね、将斗くんと話すことが出来たんだよ」
　怖くて、たまらなくて、圏外になってつながらない携帯を手に握りしめるばかりだった時に、いきなり聞こえてきた将斗の声だった。
「将斗くんね、絶対に助けにいくから待っててって言ってくれたの。だから待ってたよ、ここで待っていたの」
　堰を切ったように菊乃は続けた。
「はぐれたくないから、ちゃんと待っていようって思ったのに、火が出て」
　首を左右に振る。
「どこに逃げていいのか分からなくって。先生！！って思ったけど、誰もいなくなっちゃってたの。熱かったし、怖かったよ。将斗くんと会えてないのに、もう駄目かもって思ったの。そしたら、冷たいものが菊乃を包んでくれて」
　驚いた菊乃を庇う形で現れたのは、夏の時に出会った灰色の少年。
『ごめん』と少年は菊乃に言った。
「怖がらせているよねって言われたけど、怖くなかったよ。菊乃、怖くなかった」
　邪気がどんなものかを説明されていたのもあるし、夏の時に菊乃が邪気の少年に感じたのは恐怖だけでなかったのが大きかった。
　菊乃が一番願ったのは、灰色の少年の消滅ではなく、安らかでいて欲しいという願った気持ちだったから。
「菊乃、名前を聞いてなかったから。教えてっていったの。でもね、名前なんて覚えてないし、きっとないって。そんなのダメだから、菊乃の大好きな本の主人公の名前でよぶね！って言ったの」
「──彼に、名前を？」
「うん。あのね、漣なの」
　存在があやふやなモノにとって、名前を与えられることの特別さを菊乃は知らないけれど。
　漣と呼ばれたことで、灰色の少年は水の眷属であり個としての存在が確定出来たのだ。
　漣の服の裾を菊乃はぎゅっと掴む。
「漣は一緒に逃げてくれて、将斗くんもここに向かっているから、大丈夫だよって言ってもくれたの。炎の勢いはすごくって、逃げているうちにここまで来ちゃたの。その時だったよ、火が突然に消えたの」
　菊乃は幼い眼差しで、屋上の扉を見つめた。
　あの扉から将斗が現れた瞬間を、菊乃はちゃんと覚えている。
　菊乃！！と叫んで、ほっとした顔をしてくれたのだ。
　──会えたのだ。
　──ちゃんと会えたのに！
「消えちゃったよ！！　将斗くんは来てくれたのに！　どうして、将斗くんが消えなくちゃいけないの！？」
　将斗くんを返してと菊乃がまた泣き出した。
　慰める言葉などあるはずもなく、爽子は菊乃に駆け寄ってぎゅっと抱きしめるしか出来ない。
「将斗くんは、その、わたしたちがきっと……」
　助けるからと言い切りたいのに、自信が持てなくて言えなかった。
　それが情けなくて、爽子は菊乃を抱きしめたまま、視線を屋上から外へと逃げるように流す。
「──え？」
　校舎を駆け上がって来た時には見えなかった場所、正門とは反対側にある付近に、橙色が揺れているのを見つけた。
　それは大地の力を宿す少年の命の色そのもの、そして光の柱の側でもある。
「巧くんだ！！」
「爽子？」
「久樹、菊乃ちゃんをお願い。巧くんの力があそこにあるの！」
　抱きしめていた少女から離れ、屋上の端にあるフェンスまで走って目を凝らす。
　校舎裏のあたりに橙色が残されており、それが十重二十重となにかを包みこんで、内側を守っているようだった。
「巧くんの力がなにかを守っている？　そうよ、だってここに居たのは将斗くんだけだった。巧くんも一緒のはずなのに、別行動をとっていたのなら、その理由は……」
　巧と将斗が救おうとしていたのは菊乃だけではなかった。だから救出対象が別々の場所にいて、それぞれ危機に瀕していたのなら、子どもたちが取る行動は一つしかない。
「幸恵を守ってくれているのね！」
　爽子が上げた声に、泣くだけだった菊乃がはっと顔を上げた。
「……お姉ちゃん？」
　駈け出した爽子を追おうとした久樹の腕に、菊乃が縋りつく。
「待って、菊乃も一緒に行きたい！　お姉ちゃんは菊乃を助けに来てくれたの、菊乃も行かないと駄目なの！」
　将斗が守りたいと願っていた小さな女の子は、涙を拭って毅然とした表情を見せた。
「菊乃ちゃん。その、漣と一緒にここで待っていたほうが……。幸恵は絶対に無事でいてくれているから、だって巧が守ってるんだ。ただ……」
　巧がもう居ないことを、久樹は理解してしまっている。
　将斗よりも先に巧は幸恵を守って消失し、それを幸恵は目の当たりにしてしまったはずなのだ。そんな状態の姉妹を再会させるのは残酷な気がする。
「大丈夫だもん」
　真っ赤な眼をしているが、菊乃は強く頷いた。
「菊乃、将斗くんのことを諦めたりしないんだから。……さっき、巧くんを呼んでたのは、将斗くんと同じってこと？　それなら巧くんのことだって諦めない。久兄ちゃんも、爽子姉ちゃんもそうでしょう？」
「諦めるわけないさ。取り戻すためにあがく」
　望むことも信じることも諦めない菊乃の強さこそが、自分たちの持つ異能力などよりも、もっともっと特別な力かもしれないと久樹は思った。
「──行こう、菊乃ちゃん、爽子」
　行動方針が決まったと判断したのか、漣が先に屋上から校内へと続く扉を開け、階段を降りていく。爽子は久樹と菊乃を待ち、階段を降りようとして「うそ……」とあがった菊乃の声に足を止めた。
「どうしたの？」
「爽子姉ちゃん、ここって、どこなの？」
「どこって、炎鳳館よ？　どうして？」
「だって菊乃は火に追われてここまで逃げてきたんだよ、どうしてこんなに壁とかも全部が普通に戻ってるの！？」
　感情の激するままに大きな声を上げ、菊乃は漣を追って階段をいきなり駆け下りた。すぐに廊下に辿り着いて足を止め、どこも整然とした様子を見せる校内にそのまま立ち竦む。
　追いついた久樹がそっと肩に手を置くと「菊乃、なんにも分かってなかったんだね」と苦し気な言葉を落とした。
　火に追われて逃げ惑った現実の痕跡が消され、なにもなかった事にされることが、こんなにも恐ろしい気持ちになることを菊乃は知らなかったのだ。
　──将斗は怖いことを沢山見て、経験もして、なのに全部なかったことにされた経験を繰り返してきたのかもしれない。そう思うと、胸が苦しくてたまらない。
「菊乃ちゃん」
　優しく呼びかけて、幸恵がよくやっていたのを真似て、ぽんぽんと頭を撫でる。
「そんなに悲しまないで欲しいんだ。確かに俺たちは、いろんなことを見て来た。でも怖い事だけじゃなかったんだ」
「……久兄ちゃん？」
「菊乃ちゃんは、将斗をずっとちゃんと見てきてくれたろ？」
「見ていた、と思うの」
「将斗は不思議なことを怖がってはいなかったよ。見えるものも嫌ってなかった。だってあの力がなかったら、将斗は菊乃ちゃんが危ない目にあってた時に気づけなかったからな。感謝してたくらいなんだ。本当に、怖いだけじゃないよ」
「……うん」
　菊乃は頷いてから、ようやく少しだけ笑顔を見せてくれた。
「あのね、菊乃は怖くないよ？」
「え？」
「将斗くんの力は怖くないの。久兄ちゃんたちの力もきっと怖くないよ」
　だからお兄ちゃんたちの力も今度見せてねと言って、菊乃はまた真っ直ぐに前を見た。
「行こう、お姉ちゃんのところに！」
　勝手知ったる学び舎を四人が駆ける。
　炎鳳館に響く彼らの靴音だけを聞きながら、途中までは確かにいたという他の人々がどこに行ったのかという問題に久樹は心配を募らせるが、答えは導けそうになかった。
　とにかく今は考えて立ち止まるよりも、別れるときに約束をしたように、菊乃と幸恵の安全を確保し、迅速に高校生たちと合流するべきだと行動の指針を定める。
　そんなことを考えている間に、一階の非常口にたどり着いた。
　緊張しながらノブを回すのは何回目か、無意識に息をつめて扉を開ける。
「……あ」
　声を上げて立ち竦んだのは、異能力を色として感知する爽子だった。
　菊乃は漣と共に外に飛び出し「お姉ちゃん！」と呼ぶ。
　どちらを優先するべきか迷って久樹は固まった。漣が目線だけ向けてきて、舞姫によく似た潔さを宿して頷いてくる。
　久樹は菊乃を漣に託し、恋人の顔を覗き込んだ。
　感情がたかぶりすぎると固まってしまって、最終的には泣きだしてしまった幼いころの顔をしていた。
「爽子？」
「久樹、ごめん。分かってたのに、巧くんはいないって、でも、それがわたし……」
　巧が残した力が、まるで爽子を慰めるように触れてくる。なのに「大丈夫？」尋ねてくれる声はないのだ。覚悟をしていたのに、それを上回る感情が爽子を動けなくしている。
「爽子、頼むからしっかりしてくれ。立ち止まっている場合じゃないから」
　爽子を立ち直らせようとする久樹の背に、菊乃の懸命な声がぶつかった。
「お姉ちゃん、おきて！！　お姉ちゃん！」
「う、ん……きく、の？　菊乃なの？」
「うん！！　お姉ちゃん、菊乃だよ。ねえ、大丈夫？」
「だいじょう、ぶ、だと思う。うん、やっぱり大丈夫よ。――あ、久くんとさっちゃんもいるのね、良かった。でも、ねえ……」
　姉妹が再会を果たした柔らかい会話に、久樹はけれど振り向けなかった。それは爽子も同じで、二人、息を潜めてしまう。
　──分かっているけれど、それでも現実を知らされるのが怖い。
「巧くんはどこ？　ねえ、巧くんを見なかった？　わたしを助けに来てくれたの、もう大丈夫だよって言ってくれたの。返事をしたけど聞こえてなかった。だってそう、すごい音がして光が……」
　久樹のゆるい拘束をとき、爽子はふらりと幸恵の側に近づいた。
「ここに居たの……」
　そのまま崩れ落ちて、ぺたんと地面に座り込み、巧の痕跡を求めて土に爪を立てる。
「ここに立っていたわ、巧くん。だって幸恵を守る巧くんの橙色が濃いもの。巧くんはきっと、ここで」
　堪え続けた涙が、親友を前にした安堵もあって決壊してしまう。
　幸恵は菊乃を抱きしめたまま、泣き出した親友と視線を合わせた。
「ごめんね、さっちゃん。わたしがここで見えないなにかに捕まって、動けなくなっていたせいだよね。巧くんはなにかを払ってくれたの、でも、それで」

　
　

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