[最終話 閉鎖領域]

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ヒトと贄 No.05


 不穏な一言を久樹が確認しようとしたが、先に「持ってきました!」と里奈が戻ったので、全員で詰め込む作業を始める。小分けにしたそれらを、大きなリュックにつめこんで、久樹が背負った。
「助ける順番を間違えないで欲しい、久樹くん」
「順番ってどういう?」
 怪訝そうな久樹と違い、舞と漣は頷いた。
「……年上なのに情けないと凹む周期が、舞と漣ばっかりわかって情けないに変化してきた」
『頼って頂けて嬉しいのですけれど?』
『僕には凹む周期の必要性がよくわからない……』
 優しげなくせに、きつくもある返事に「漣は静夜に似て来たな」とぼやく。
『本当?』
 救ってくれた静夜を慕う漣の嬉しそうな様子が純粋すぎて、久樹はつっこめずにしおしおと俯いた。
「久樹くんはどうして自分から、へこまされにいくんだい? ところでしーちゃんたちがバラバラの場所で捕まってること覚えているかな?」
 全員を一気に救出は出来ないのだ、物理的な距離の問題で。
「──あ。そうだった。なら康太先生、時間がないのは誰に見えますか?」
「まずいのはしーちゃんと智帆くんだね」
 ペースを崩さずに来た康太の声が、ほんの少しだけ低くなる。それでやっと、彼が感情を抑え込んでいると気づいた。
 康太は異能力を持ってしまった甥と友人たちの避難所であろうと、朗らさを守り続けているのだ。それを支える優しい強さに胸が痛くなる。
『……風の使い手もですか?』
 康太に尋ねたのは、珍しく驚いた様子の舞だった。
 力をこちらに割きすぎているのは静夜だ、風まで同じ状態に陥っているとは考えなかった。
「智帆くんはねえ、しーちゃんと同じで感情を抜きで最善策を考えるんだよ。だから必要な行動だと納得したけど、しーちゃんの生存率が下がりすぎるのは許容できなかったんだろうな」
『けれど実行されておりますよ』
「リスクを半分こにしたんじゃないかな」
『──半分こ? 水の方は……』
「ところで舞ちゃん、名前を呼ばないのは疲れないかい? 漣くんもだ。康太って呼んでくれ、しーちゃんたちのこともだよ」
『ご本人の許可を頂いておりませんから……』
「なら保護者として許可しよう。なにか言われたら、康太にオッケー貰ったと言えばいい」
 にこにこと笑いながら、康太は漣の頭を撫でた。
「いい子たちだねえ。舞ちゃんの頭は撫でたら捕まっちゃいそうだからやめておこう。二人とも私の可愛い生徒だよ、納得したかい?」
『わたくしが学園の生徒……?』
『菊乃ちゃんと一緒なの?』
 二人揃ってあどけなく頬を染めて『康太先生……』と呼びかけたのを見て「すごすぎる」と久樹はつぶやく。
「康太先生ってすごすぎね。静夜くんは甥っ子だからともかくとして、智帆くんすら康太先生には子供っぽい表情みせるもの」
「のんびりほんわり超マイペースだったから、凄さに気づけなかった」
「ただの天然だと思ってたって言われてる気が? まあいいけれど、とにかくしーちゃんが消費しすぎた分の半分を智帆くんがあげちゃったんだね」
「あげたってそんな簡単に!? 智帆も危険になるってのに」
「それでも互いに死んで欲しくないと思ってると理解したんだ。チャンスは減らすべきじゃないって──でもね」
 康太が声のトーンを落とした。
「最初に助けるのは、智帆くんでもしーちゃんでもダメだ」
「──え!?」
 桜と亮が息を飲む。
「どうしてですか康太先生、だって二人は危ない状態なんでしょう? どうして一番に助けにいったらいけないんですか!?」
「しーちゃんと智帆くんにとって、最初に安全を確保したいのがたっくんとまーくんだからだよ」
 康太は吐息を落とした。
「分かりにくいかもだけど、しーちゃんたちは本当にたっくん達が弟みたいに可愛いくて、失いたくないんだ。だから一番に助けたい」
「それでも! その、静夜くんたちより猶予はあるんですよね?」
「そうだよ。二人の次に危険なのはたっくんとまーくんで、かなり余裕がありそうなのがユウくんだ。だからね一番にユウくんを助けないといけない」
「──どうして?」
 雄夜を先に助けろと言われる理由が分からない。状況を整理しろと口を挟んだのは丹羽だった。
「たどり着いた先がまた大変だということだろう。明確な敵が予想されて、排除する戦力が必要なわけだな」 
 冷静な指摘に、久樹はハッとした。
「あいつら三人の中で、雄夜が最初に消失したのはなぜだって思わないか、爽子」
「──だって雄夜くんが光に囚われるのを見て、静夜くんたちは状況を理解したんでしょう?」
「そう思ってたんだけどな。限界近くまで異能力を使わないと、次のターゲットに定められないわけだろ。だから俺たちの大切な人を危険な状態にして、異能力を使わせようとしてきた」
 上手く説明が出来ない久樹のもどかしそうな顔に、「間違いないです」と梓が口を挟んだ。
 雄夜がいかに格好良かったかを語りたい気持ちのまま、死ぬかと思ったことや、朱花と蒼花が助けに現れたことを伝える。
「待ってよ、雄夜くんが梓ちゃんを助けるのは当たり前でしょ?」
「朱花と蒼花だけじゃ今の雄夜の限界はこえないだろ、普通すぎる」
「それは、そうね」
「限界を超えた異能力が発動したと見せかけたんだ。静夜と智帆と雄夜とでたくらんだ」
「雄夜くんは静夜くんを危険に晒すのが大嫌いなのよ? それなのに最後に勝つことを選んだ……の?」
 静夜が弱ること、弱っている姿を見ること、それらを異様なほどに忌避する雄夜が、どんな思いで決断したのかを考えると胸が痛い。
「雄夜はあいつらの作戦で勝てないものはないと思ってる。──欠点なんて全部吹き飛ばして、勝つために動くだけなんだ」
 かっこいい雄夜くん、と。初めて空気を読んだ梓が、本当に小さな声で呟いた。
 それに桜と亮が「今回は大きな声で主張してもよかったんじゃない?」と苦笑しながらつっこんだ。
「あっちにいったら雄夜を助けて、巧と将斗を確保する。静夜たちを助けに行くのはそれからですね」
 ちゃんと理解しましたと久樹は胸を張った。康太が頷く。
「甥っ子たちを頼んだよ。なにもしてあげられないけど、ケーキを用意して待っているから」
 笑った康太が「あ」と言った。
「どうしたんですか?」
「どうやって迎えにいくのかなと。見えてるけど、触れないだろう?」
「やだな康太先生。だから門になって貰うんじゃないですか」
「そうかあ、門かあ。門の着ぐるみってあるのかな、うーん」
「いや着ぐるみはいらないですって。康太先生そのものが門なんです。だから向こうの太陽と対になる位置に立っていて下さい」
「私は不思議な力を持ってないよ? 瞬間移動が出来たら、いつでもケーキを買いに行けると思うくらいだ」
 残念だとうんうんと頷く康太に、爽子が「そのままでいいんです」と告げた。
「絶対に安全な場所、それが康太先生の側です。みんなに帰る場所を教えてくれる、だから居てくれるだけで門になるんです」
「なにも解決もしてあげられない、ただの無力な大人なのになあ、誉められるなんて」
 なんだかくすぐったいねと答えながら、双子の成長と抱えているものを見守るだけの、もどかしさを飲み込み続けた日々を思ってみる。
「とにかく理解したよ、此方と彼方を繋ぎとめて開ける門が必要だとね。そこで気になることが」 
 幸恵、菊乃、桜、梓、亮と見て行って、最後に視線を爽子に戻す。
「爽子ちゃんと久樹くんとの寄り辺はどうするつもりなのかな。私は門だから違う、このままだと足りないよ?」
「──あ」
 マズっ!という感情をたっぷり含んだ声に、舞がそっと扇で口元を隠す。
『久樹さんも爽子さんも、いろいろと抜けていらっしゃいますので、これから先もお側にはべらせていただきますね。良きことでございましょう?』
「反論が出来ない!」
 寄る辺が必要ならと呟き、首を傾げたのは幸恵だ。
「さっちゃんが久くんの寄り辺として、ここに残るのは?」
「嫌、巧くんを迎えに行きたんだから。助けて貰ってばかりだけど、今回はかっこよく助け出すつもりなの」
 颯爽と助け出す光景を想像して目を輝かせる爽子に、久樹が眉をよせる。
「巧は爽子に助けられるのは嬉しくないなって言ってただろ。派手じゃなくてさりげなくしてやれって、不憫だろ」
「そんなこと言わないで。それなら久樹が残って私の寄り辺になってくれる?」
 拗ねる幼馴染みに、久樹は「俺は爽子と離れるつもりはないよ」とサラリと返した。
「別れ別れでやきもきするより、一緒に慌てるほうが俺たちらしい」
「……久樹。ありがと、ずっと一緒に居ようね」
「そんなのんびり会話をしている場合か」
 気難しい声は丹羽のもの。
「私と本田くん、どちらがどちらにするかね」
「丹羽教授? それってどういう?」
「察しが悪いぞ。君たちは二人、私と本田くんも二人だ。丁度いい。特別な理由を必要というなら、言っておこう。──君たちは本田くんを救ってくれた。あれは私にとってかなりの借りだ」
 しかめっ面に見えるのだが、優しい視線を里奈に向ける。
 人の関係は変わっていく。
 当たり前の、とても優しい事実に久樹を嬉しく感じながらは「お願いします!」と頭を下げた。
 ぱあっと笑顔になった里奈が、爽子の手を握る。
「私、責任を持って頑張りますから!」
『わたくしと漣でご助力いたしましょう』
 異能力の一部が当たり前に受け入れられる光景が、久樹たちに強さを与えてくれてた。
 あとは連れ戻しにいくだけ、心からそう思う。
「待って! ねえ、漣も行くの? あのね、漣。菊乃ね」
『菊乃ちゃんの分も、助けにいってくるよ』
 任せてという気持ちのままに笑った漣をまじまじと見てから、「帰ってきてね」と菊乃は言った。
 漣と舞を先頭に、久樹たちは走り出す。
 幸恵は甘えん坊だったはずの、幼い妹の強さに眼を細める。
「菊乃、私たちもいくね。一人になってから、泣いてしまってはだめよ?」
「お姉ちゃんだって、巧くんが苦しそうって泣いちゃだめなのよ」
「そうね、泣いてる場合じゃないものね。──北条さんたちも心を強く持ってね。彼らは辛い状態になっているだろうから」
 心配してくる年上の優しい女性に、桜は頷いた。
「色んな感情は帰ってきてくれた時にぶつけようと思います。とにかく支えないとって。でも実際は配置で立っているだけですけど」
「きっと動いちゃダメなんだよ。動いたら負け。血まみれで倒れてるのを見守ってなくちゃだった……それは嫌だぁ! まずいってどんな状態なの〜」
「秋山、落ち着け。雄夜は余裕あるって言われただろ。縛られて寝てるだけだろ、安心しろ」
「雄夜くんの心配だけしてるわけじゃないんだからあ! 亮くんも気をしっかり持つんだよ」
「秋山に諭されたら終わりだな。俺はお前の死にそうな顔みたぞ! と、智帆をいじるネタを取りに行く気持ちでいくぞ」
 無理にふざけてから真顔に戻り「また後でな!」と掛けた声を合図に、四人は炎鳳館、地鳳館、風鳳館、水鳳館へと散った。
 菊乃は足が遅いが、持ち場に既にいるので移動の必要はない。中央に辿り着いた久樹と、持ち場に散った面々の到着はそれほどタイムラグは出なかった。
 力の流れなのか、世界との絆なのか、扇を手にした舞が何かを見つめる。
『道は整いました。あとは門をくぐるだけ』
 舞の花びらにあわせて、康太の周囲に五つの光が集まりだす。それらが軽やかに踊り一つになって、小さな扉が生み出された。
「これが世界を越える門──いや、扉?」
 学園の中央にある広場という場所以外は、学園に普通にあるありふれた扉が出現してぽかんとした。
 康太は扉に触れる。
「拍子抜けだなあ。かっこいい門ならよかったのに。ほら城門みたいな?」
 こぼした感想に「特別ですって」と久樹は目頭を抑えた。
 ──扉のプレートに刻まれているのは、統括保健室の文字。
「特別とかいわれても実感がないけど、しーちゃん達が無事に帰ってきたら。特別だって誇ることにするよ。久樹くん、爽子ちゃん、本当に頼んだ。私の可愛い甥っ子と、その友達を連れて帰ってきてくれ」
「任せてください、康太先生」
「久樹くんと爽子ちゃんも帰ってくるんだよ? 自分たちを頭数に入れ忘れる、うっかりが移らないように」
「もちろん!」
 久樹と爽子は手を繋いで笑いあって、門となった扉を開けた。
 光があふれ、世界がゆがむ。
 助けるために飛び込んだ最初の時と同じだ。あの時は失うばかりだったが、今度こそ何もかもを取り戻してみせると意気込んで、前へと進んだ。


 更に眩しい光が溢れて、ぎゅっと瞼を閉ざした。真っ白になった眼窩が落ち着いて、再び開くことでそびえたつ忌まわしき五つの光の柱を捉える。
 直上からは伝わる熱は、天に登る偽りの二つ目の太陽だ。
「たどり着けた……」
 強制的に退去させられた世界に、本当に舞い戻ってこれたのだ。
 統括保健室の扉を振り向いて確認する。消えることなく確かにある帰り道にほっとした。
「まずは勝利条件の確認だな。あいつらを助け出して、ここまで戻ってきて、全員で帰る。──だよな」
 かつて勝利条件を間違えないようにと忠告してくれた、静夜と智帆の言葉を再確認してみた。
「うん、絶対にみんなで帰ろうね。──ねえ久樹、こっちの門はあの太陽だったはずでしょう? なのに保健室の扉もあるの、不思議じゃない?」
「だよなあ。なあ、分かるか舞?」
 困ったときに舞に頼るのが自然になっていることに、久樹は気づいていない。けれど当たり前に加えられたことが舞には嬉しいことだった。
『門のイメージはわたくしたちの勝ちです。ただこの世界にはあの太陽がある、と思ってもいたでしょうから。ただの異常を知らせる光景として残りましたの』
「俺たちが世界の形を左右した?」
 壮大すぎないか?と小さく続いたのを漏らさず、舞は『太陽だけではありませぬよ』言って、扇で場所を指し示す。
「──うん?」
 良くわからないものが見えてしまった。
「爽子、巨大な人参とピーマンが、二足歩行でこっちに向かって来てないか? 俺の見間違いか?」
「わたしにもそう見えちゃってるわ」
 どう反応するのが正しいか戸惑う久樹の背を、ぽんっと漣が叩いた。
『侵入者に気づいて妨害に来たんだよ、ぼうっとしないで』
「妨害って……あれ敵か!? なんだあの形、テーマパークの着ぐるみじゃあるまいし、緊張感なさすぎだろ!」
『人参とピーマンがとてつもなく苦手で、いつも襲われている気持ちの方がいらしたのでしょう。初等部の生徒も多くいらっしゃいましたから。それに』
 扇を一閃させて、舞は桜の花びらで空に大量の弾幕を展開させた。つられて見上げて、空を埋めつくしたものに震撼する。
「あの光ってる矢みたいなのなんだ!?」
 鈍い音が落ちてきて、こちらに向かって放たれてきた攻撃を花びらの弾幕が散らす。勢いを失ってばらばらとアスファルトに落ちた物の鋭利さに身がすくんだ。
『おそらく紫外線から受けるダメージへの嫌悪と怖れを形にしたものかと』
「なんでもありすぎるだろ!! ええっと、とにかく俺たちが最初にやるのは雄夜の救出だな。あれ、雄夜いるのってどこだった爽子!?」
「あのね……あれ? いきなり言われると頭から抜けちゃって。巧くん、将斗くん、雄夜くんで、五芒星で炎鳳館から始まったから……」
 指折り数え始めた爽子を待って弾幕を支える舞に、漣が『いいから先導してよ!』と訴えた。
『とんでもないのが来てるから!!』
 子供の高い声に、大気を震わせる咆哮が重なった。
 びりびりと空気を震わせるほどのソレが、久樹と爽子だけでなく、舞まで硬直させた後に振り返させた。
 地を蹴る音と共に、駆けてくる異形を見つける。
「──あれって」
 あまりにも大きな黒い獣と、背に乗る女。心当たりに爽子は息を飲み「急がないと! 舞、追いつかれる前に雄夜くんのところにっ!!」と声をはる。
『畏まりました、ではその前に』
 舞が桜吹雪を発生させ、漣が霧を重ねて目くらましにした。
 こちらの位置が分からなくなった獣の苛立たしげな咆哮に爽子は身がすくむ。そんな彼女を追い越して、舞が先頭に躍り出る。
 久樹が爽子の手を取って続く。
「舞、あの獣から物凄い憎悪を感じないか!?」
『久樹さんを噛み噛みしたいご様子に見受けられますね』
「噛み噛みどころか、噛みの一回で死ぬって! あいつ秋の時の邪気だよな、仲良しクラスを嫉んで呪う感情が元になったアレ。しかも俺が浄化したヤツだ!」
『本当に浄化を選ばれましたの? 消滅させやがってこんちくしょう!という気持ちがひしひしと伝わってきておりますの』
「あいつのせいで静夜が大変な目にあったんだよな。……まあ、ちょっと、浄化ではなかったかもな? でもな、女なんていなかったって! でも気になるんだよあれって……うおわあ!」
 前へと進もうとする足首をいきなり掴まれて、思い切りつんのめった。
「な、なに!? いやっ、手!?」
 道路から無数の白い手が生えて、それが一斉に久樹と爽子の足を掴んでいる!
「気持ち悪すぎる!!」
『このようなシーンのあるホラーをご覧になった方が抱いた恐怖が……』
「解説はいいから助けてくれって! 動けないんだ!」
 舞に訴える久樹を、漣が半眼で見つめた。
『どうして自分たちで対処しないの? 僕も舞も、久樹さんたちより使える力の残量は少ないんだよ』
 抗議しつつも健気に漣が氷の刃を放ち、久樹と爽子の足に取りついた白い手を刈り取る。赤いモノが飛び散ることはなく、ただ霞を残して消えたものにほっとしてから「そうだった!」と我に返った。
「異能力使えばいいんだったな!」
「ねえ、久樹。さっきのって形があるよね、だったら私が支配することも出来るよね!? 私、戦闘で役に立てちゃうかも!」
 いきなり襲われて妙なテンションになっている二人が、異能力を忘れていたと気づいて『まあ』と舞がこぼした。


 
 
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