風の待ち呼び人 [完結] |
「ファルはどうしてあんなところで、縛られたまま転がされていたの?」 |
第弐話・暗き森の中で |
「ごめんなさい。あたし、こんな山の深くまできたことなくて。怖くて」 |
「もう遅いからさ、今日はここで夜をあかすけど、朝になったら行こう」 |
「風を強く感じる者の額に、文様は浮かぶ。けれどね、意味と役目を持つ文様は……」 |
「おれは行くよ、ファルと二人で最後まで一緒に!」 |
「やれやれ。お前らの反応みてるとな、まるでおれが悪者だなぁ」 |
「あたしも守りたいな、セナイのこと」 |
「あたしも、ずっと一人で寝てなくちゃいけなかったら、一緒にって思うかも」 |
「おれはさ、風を感じることが出来たから。風が大好きだったから!!」 |
「セナイの中に流れる風の民の血が叫ぶんだよ!」 |
「蛇足です」 |
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